家族を襲った不可解な嫌がらせ

岐阜市に住む54歳の男性から「自宅の玄関先に悪臭のする液体を撒かれる嫌がらせを受けており、家族が限界です」とのご相談をいただきました。依頼人は食品製造業の会社役員で、妻と大学生の息子、高校生の娘と4人暮らし。3ヶ月前から始まったこの被害は、最初は一度きりかと思われましたが、その後も断続的に続き、特に最近は週に1〜2回の頻度で起こるようになり、家族は精神的に追い詰められているとのことでした。

娘さんへのストーカーの可能性や、依頼者ご自身の仕事や近隣関係のトラブルなども考えられましたが、心当たりはまったくないというお話でした。

犯人像が見えない中、探偵が選んだ方法とは

こうした嫌がらせは、相手が特定されない限り、警察も動きづらいものです。被害が続く中で犯人の手がかりをつかむため、私たちは過去の被害日時を詳細に洗い出し、行動の傾向を分析。すると、犯行はほとんどが午前7時から昼過ぎまでに集中していることがわかりました。

そこで6時〜14時までの8時間体制の監視を実施することを提案。今回は、加害者に気づかれないよう、特殊な隠しカメラを使い、映像を電波で調査車両まで飛ばし、安全な場所からモニタリングする方法を採用しました。

意外すぎる犯人とその動機

長期戦を覚悟していましたが、犯人は調査4日目の朝、意外にもあっさりと姿を現しました。午前7時過ぎ、人通りが少なくなる時間帯に、玄関前に現れたのは年配の男性。一旦立ち止まったあと、手にしたペットボトルから悪臭の液体を撒き始めたのです。その一部始終を映像に収めた後、スタッフが現場に急行。強烈な臭いが立ちこめる中、男性をその場で確保し警察に通報しました。

調べの結果、この男性は依頼人宅から1区画ほど離れた近隣住民であり、動機は依頼人宅で飼われている犬が散歩のたびに自宅敷地内に排尿することへの報復でした。

「話し合いで解決」依頼人が下した判断

犯人が明らかになり、警察への通報も済ませた後、依頼人はあえて被害届を取り下げるという判断をされました。理由は、「家族はこの街で暮らし続けるつもりであり、完全な他人事ではない部分もあった」とのこと。犯人が近隣住民である以上、今後の関係性も考慮し、話し合いでの解決を選ばれました。

探偵による調査は、時に犯人の正体だけでなく、「納得のいく結末」を導くきっかけにもなります。今回は、犯人特定だけでなく、ご家族の不安の解消、そして地域での共存を見据えた穏やかな解決を支援できたことを、私たちも嬉しく思います。

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